欧米ではよく地植え野フクシアを見かけます。関東以西の冬が暖かい地方では、フクシアを鉢植えのまま軒下などに入れて越冬出来る可能性も高いと思います。しかし。私の住んでいるあたりでは、真冬にはマイナス15度位まで気温が下がりますので、鉢植えのまま戸外での越冬させるのは困難であると思います。
いままでは、手元にあるフクシアを人身御供にするのをためらっていたのですが、大株が増えてきたので露地植越冬を試してみました。確実に越冬させるには植え付け時から考慮が必要です。
露地植で越冬させる場合の手順とポイント
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- 耐寒性のある品種を選ぶ。(winter hardy fuchsiaと呼ばれるもののうち 出来ればH3のもの)
- 挿し木後2年目以降の充実した大株を使う。(根が十分発達しているという意味)
- 春先には太陽の光が当たりやすい所に植え付ける。(地温が上がりやすい)
- 植え付けは、深くする。(地表から5cm程度深植にする。根の部分を寒さら守るため)
- 晩秋に株元を厚くマルチングし、根を寒さから守る。
- 枝は先を軽く剪定するにとどめ春まで枝を残したままにしておく。(枯れないで芽が出る可能性あり。)
- 春は芽が出るまで気長に待つ。
- 発芽から数週間様子をみて発芽しない前年枝を剪定する。
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利点
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欠点
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- 地植えになっているので管理が楽である。(水やり等)
- 夏には、露地植えにすると同じ場所においてたポットに比べるて地温があがりにくいので夏越しが楽。(耐暑性もある品種をえらぶ)
- 大株が作りやすい。
- 年々株が大きくなるが、植え替えの必要がない。
- 冬季に室内に入れなくて良い(置き場所が入らない)。
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- 地温・気温が上昇するまで発芽しないので、開花が夏にずれ込んでしまう可能性があり、日本では不利。
- 耐寒性品種といっても実際に試してみないと解らないため、植え付け初年で大株を失うかもしれない。
- 夏を考えて植え付け場所を選ぶ必要がある。
- ポット違いシーズン中に場所が動かせない。
- トレーリングタイプのフクシアやスタンダード仕立てにしたフクシアには向かない。
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今回露地植にしたフクシア |
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今回植え付けたフクシアは、F. magellanicaの一種か交配種(詳細不明)です。
特徴は枝が細く花も小さいフクシアで耐暑性、耐寒性ともに高い性質を持っているます。(American Fuchisa Society のHeat Tolerant Fuchsia Listに掲載されており、実際に育ててみても耐暑性は高いです。また、Hardy Fuchsia にも分類されており Ned-H3です。)
今回用いた株は、挿し木をして2年目の株(5号鉢)を用いました。
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開花中の状態(7/29)
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シーズン終了時の状態(11/30)
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ポットで1シーズン株を大きくしたF. magellanicaを5月に庭に植え込んだものです。(中心の明るい部分)
画像からはよくわからないかもしれませんが、開花中です。深めに植え付けてあります。
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11月末となり開花は終了、葉の方も大分落ちてきています。この株の越冬させてみようと思います。
露地植で越冬させる品種には耐寒性があるといわれるものを選びます。 (hardy fuchsiaと分類されています。出来ればH3のもの。)
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根元を部厚くマルチング(11/30)
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真冬の状態(1/13)
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寒さから根の部分を守るために株元をピートモスや腐葉土で約15cm位の厚さにマルチングします。これ以上厚くてもかまいません。
枝は先を剪定するにとどめ、残したままにしておきます。剪定するのは翌春の芽吹きを確認してからです。
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真冬の状態です。私の住んでいるあたりで、この時期の最低気温はマイナス15度前後、最高気温が0度以下の日が続くこともあります。土を触るとカチンコチンに凍っていてシャベルも入りません。
印が付いているところが植え付け場所です。ガレージの上の庭なので土の厚みは約40cm程度、下は空間になっているため、地熱は余り期待できませんから通常の地植えよりは条件は悪いと思われます。
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早春の状態(3/25)
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芽吹き始まる(5/3)
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春がやって来ました。枝が残っていますが、この時点では無事に越冬できたかどうかは不明です。前年枝はこのまま残しておきます。
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5月になって株元から芽がのぞいてきました。無事越冬できたようです。
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株元の拡大(5/3)
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根の状態(5/3)
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株元の拡大です。前年の枝の下から芽が出てきました。枯れているように思われる前年枝は、まだ切らずにもうしばらく様子をみます。
この時点から、液肥を与え始めます。
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脇にスタンダード仕立てのフクシアを植え込むために穴を掘りました。越冬したフクシアの白い根がかなりの深さまで入り込んでいました。根の色が白く生きているのがわかります。
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成育中の状態(5/28)
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To Be Continued
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芽が出始めてから約4週間。大分伸びてきました。前年の枝からは芽が出ないことが確認できた(枯れたと確認できた)ので、この時点で剪定します。
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