害 虫
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フクシアにも他の植物と同じく害虫がつきます。私が毎年戦っている害虫には、オンシツコナジラミ、ハダニ、アブラムシ、コガネムシなどです。中でもオンシツコナジラミの生命力には毎年悩まされ続けています。 |
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オンシツコナジラミ
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発生時期 |
冬季室内に取り込む場合は一年中発生します。 |
症 状 |
ハエのような白い小さい虫(2mm位)が葉裏で汁を吸っています。フクシアに触れると白い虫が舞い上がります。
フクシアに致命的なダメージを与えることはまれですが、大量に発生すると生育が悪くなり、被害が進行すると、コナジラミの排泄物の上にすす病が発生して葉が黒くなります。 |
対処方法 |
1.見つけたら手でつぶします。(少数の場合)
2.石鹸液をスプレーすると簡単に窒息させることが出来ます。30分ほどおいたら、水洗して石鹸水を洗い流すのを忘れないようにします。
3.浸透移行性薬剤を株元に蒔く、あるいは薬剤などを散布します。(下記参照)
4.黄色によっていく性質があるので、黄色い粘着板を冬季間室内に取り込む場合には設置します。
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市販の防除薬剤
(販売名) |
<液剤>
アセタミプリド液剤(モスピランスプレー、液剤)、アセフェート液剤(オルトラン水和剤)、イミダクロプリド液剤(ブルースカイAL)、オレイン酸ナトリウム液剤(オレート)、デンプン液剤(粘着君)、ピリミフホスメチル乳剤(アクテリッリック乳剤)
<粒剤>(浸透移行性)
アセタミプリド粒剤(モスピラン粒剤)、アセフェート粒剤(オルトラン粒剤)、ニテンピラム粒剤(ベストガード粒剤)
注)オンシツコナジラミに対して適応できる登録作物があり一定の効果が認められる薬剤です。
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コメント |
コナジラミは本当にしつこいです。年間を通して繰り返し発生します。卵、幼虫。蛹、成虫の全ての状態を一度に撲滅するのは至難の業なので、フクシアを下から眺めたり、葉を裏返して繰り返し繰り返し発見に務め、通常は石鹸液にて駆除しています。大量に発生した時と秋に室内に入れる直前には薬剤を散布します。
常に葉裏をチェックして、一匹でも見かけたら発生源を突き止めます。また、園芸店などで購入した植物を庭に持ち込む際もよくチェックしましょう。 |
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ハダニ |

ハダニは非常に小さいのです。
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大発生するとクモの巣状の網を張ります。
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発生時期 |
年間を通して発生しますが、特に梅雨明けから夏の間の高温乾燥時期に発生します。 |
症 状 |
ハダニは大変小さいので被害が進行しないと気がつかない場合が多いです。発見が遅れるとほとんどの葉が落葉して壊滅的な打撃を受けます。
葉裏に寄生して汁を吸うため、葉の表面から見ると、吸われた部分の葉緑素が抜けて、針先でつついたような白い小斑点を生じます。数が多くなると白くカスリ状にまとまって見えます。生育密度が増すとクモの巣状の網を張ります。やがて葉色は悪くなり、落葉して枯れることもあります。 |
対処方法 |
<葉裏への散水>
ハダニは水に弱いため、定期的に葉裏に散水します。しかし、寄生数を減らすことはできますが、退治することは出来ません。室内や雨の当たらない軒下などの植物は被害の進行が速いので特に注意が必要です。
<薬剤散布>
ハダニ専門薬(下記参照)で退治します。また、デンプンを利用した粘着くん液剤という薬剤もあります。抵抗性がつきやすいので1週間おきに薬剤を替えて数回散布します。
<枝の切除>
クモの巣状に網が張っているようでしたら思い切って枝ごと切り捨てる方がよいと思います。
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市販の防除薬剤
(販売名) |
<液剤>
デンプン液剤(粘着君)、ピリミフホスメチル乳剤(アクテリッリック乳剤)、エトキサゾール水和剤(バロックフロアブル)、ケルセン乳剤(ケルセン乳剤40)、ミルベメクチン(コロマイト乳剤)
注)ハダニに対して適応できる登録作物があり一定の効果が認められる薬剤です。 |
コメント |
発見が遅れると、あれよあれよという間に葉が黄色く変わり落葉していきます。ハダニの発生しやすい時期は、丁度高温期で水やりの頻度も高まる時期ですので、葉裏に水を十分にかけるようにしましょう。また、葉裏を定期的にチェックして早期発見、早期対処をしましょう。 |
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アブラムシ |
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発生時期 |
年間を通して発生します。(冬季室内に取り込んで管理する場合)特に発生しやすいのは春-初夏、秋で、真夏は一時的に発生数は減少します。 |
症 状 |
<直接的被害>
新芽や葉の裏側などに寄生して植物の汁液を吸います。多数の個体が生息するため1匹による被害ははたいしたことがなくても、多数となると生育が悪くなります。
<間接的被害>
アブラムシはウイルス病を媒介します。ウイルス病にかかった他の植物の汁液を吸ったアブラムシ(有翔)が飛んできて汁液を吸うとウィルス病に感染します。
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対処方法 |
<薬剤散布>
多くの薬剤が効きますが、発生すると繁殖が旺盛なので長期間にわたって薬効がある浸透移行性の薬剤がおすすめです。 |
市販の防除薬剤
(販売名) |
<液剤>
アセタミプリド液剤(モスピランスプレー、液剤)、アセフェート液剤(オルトラン水和剤)、イミダクロプリド液剤(ブルースカイAL)、オレイン酸ナトリウム液剤(オレート)、デンプン液剤(粘着君)、ピリミフホスメチル乳剤(アクテリッリック乳剤) 他多数。
<粒剤>(浸透移行性)←おすすめ
アセタミプリド粒剤(モスピラン粒剤)、アセフェート粒剤(オルトラン粒剤)、イミダクロプリド粒剤(ブルースカイ粒剤)、ニテンピラム粒剤(ベストガード粒剤)
注)アブラムシに対して適応できる登録作物があり一定の効果が認められる薬剤です。
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コメント |
発生する前の防除が必要です。オンシツコナジラミに対する防除をしていれば特に問題ありません |
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コガネムシ |
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コガネムシに食害されたフクシアの花
左側の花にコガネムシが潜り込んでいます。
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コガネムシに食害されたフクシアの葉
穴だらけになってしまっています。
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発生時期 |
5-8月にかけて成虫による食害。ただし幼虫による被害の方が深刻 |
症 状 |
<幼虫の被害>
幼虫の被害は土の中で根を食害することです。養分の吸収が出来なくなって株の生育が悪くなります。別名ネキリムシともいいます。
<成虫の被害>
成虫は、葉を葉脈だけ残して網目状に食害してしまいます。また、フクシアの花弁が食害されてかなりボロボロの無惨な姿になってしまいます。
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対処方法 |
成幼虫とも見つけたら捕殺するか薬剤を散布します。幼虫は、鉢から株を抜いて確認したり、植え替えの際にコンポスト中で見つけた幼虫を捕殺します。コガネムシの成虫の姿を見かけたら、付近に卵を産み付けた可能性が大きいです。
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市販の防除薬剤
(販売名) |
防除薬剤としては、成虫にはスミチオン類を用います。また、オルトランS、スミチオンスプレー、ピリミフホスメチル乳剤(アクテリッリック乳剤) なども有効です。コガネムシ成虫の姿を見かけたら、付近に卵を産み付けた可能性が大きいので、ダイアジノン粒剤(ダイアジノン粒剤3)を植物のまわりの土に混ぜます。
注)コガネムシに対して適応できる登録作物があり一定の効果が認められる薬剤です。 |
コメント |
幼虫に関しては、植え替えの際にコンポストを注意深く観察します。 |
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ヨトウムシ
(本来はハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ、シロイチモジヨトウの幼虫のことだが、蛾の幼虫など夜間活動して葉を食害する害虫の総称) |
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発生時期 |
4-6月頃、9-10月頃 |
症 状 |
ヨトウムシ類は卵を数10個のかたまりで産み付け、若齢幼虫は葉の裏に群棲して葉を裏側から食害します。老齢幼虫は、昼間は土中などに潜んでいて夜間に活動し、葉を太い葉脈の一部だけ残して完全に食害してしまいます。
被害のでかたは、ヨトウムシ類若齢幼虫の場合にはある場所を中心に集中的に被害が拡大します。一方、ウワバ、アオムシなどの場合は、卵が1つずつ生み付けられるため、被害は散発的です。
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対処方法 |
見つけたら捕殺するか薬剤を散布します。ヨトウムシ類の場合は出来るだけ群棲している若齢幼虫のうちに防除します。
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市販の防除薬剤
(販売名) |
<液剤>
MEP(スミチオン乳剤)、アセフェート液剤(オルトラン水和剤)、ピリミフホスメチル乳剤(アクテリッリック乳剤)、トアローフロアブル CT
<粒剤>
デナポン5%ベイト、アセフェート粒剤(オルトラン粒剤)
注)ヨトウムシ類に対して適応できる登録作物があり一定の効果が認められる薬剤です。
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コメント |
老齢幼虫は昼間は隠れていて、夜になると出てきて葉を食害するので、日が落ちたら懐中電灯をもってフクシアを点検して回ります。
体は隠せても糞は隠せませんので、昼間のうちに前夜に出没した場所をつかんでおくと良いでしょう。若齢幼虫については、こまめに葉を観察し早期防除に努めます。
齢が進んだ大きなものは大食漢です。あっという間(一晩で)に葉っぱがなくなってしまいますので要注意。 |
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