Fuchsine, Magenta, Fuchsia
Fuchsine(フクシン)とMagenta(マゼンタ) と Fuchsiaの色色な関係

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 フクシアの種を取るために、水の中で熟して黒紫色になったフクシアの実をつぶしていたら水が色鮮やかな紫色になりました。そのときに頭を「フクシン」という名前がよぎりました、学生時代に実験などで使っていた赤紫の染料は、きっとフクシアにちなんでつけられたものに違いないと思い、調べてみました。調べてみますとと色彩の名前の「フクシア」、「マゼンタ」と合成染料「フクシン」の関係がわかってきました。

 左の画像は、透明な容器でフクシアの実をつぶし、鮮やかな紫色の水となったものを、シャーカステン上に置いて撮影したものです。品種はエンジェルス・イヤリングです。いい色ですね。(これはフクシンの色ではありません。)

【フクシア色の名前の由来】

 モーブについで2番目につくられた合成染料に、花のフクシア (Fuchsia) からとってフクシン (Fuchsine) と名が与えられました。ちなみにフクシアにちなんだ色名には、ほかにフクシア・パープル(Fuchsia Purple)、フクシア・ピンク(Fuchsia Pink)などの色名もあるようです。

【フクシア色の別名】

 フクシア色は別名で唐紅(とうべに、からくれない)、マジェンタ(magenta)、ローズアニリン(rosaniline)などとも呼ばれています。マゼンタは印刷に用いる3色の基本的インク(CYM)の一つで、日本の印刷業界ではマゼンタのことを「赤」「紅(べに)」と呼んでいます。

【Fuchsineとは】

化学式 C20H20ClN3
 最も古くから用いられてきた塩基性合成染料。

 金属光沢のある緑色の結晶。温水・エタノールに溶けて赤紫色を呈する。亜硫酸で無色となり、微量のアルデヒドで紫色になる。

 アニリン・トルイジンとその塩酸塩から合成され、各種繊維(木綿・麻・絹・羊毛・合成繊維など)の染色、生体染色、印刷インクの製造のほか、アルデヒドなどの分析試薬として用いられる。

【フクシア色=マゼンタ色?】

Fuchsia
#ff00ff
=
Magenta
#ff00ff

 RGB で表現するとフクシア色は#FF00FF 、一方マゼンタ色も#FF00FFであることから同じ色であることがわかります。それでは、なぜ同じなのかといいますと

"マゼンタ(magenta)"とは、そもそもイタリアのミラノ市西方にある町名に由来する名前です。
イタリア統一戦争(1859〜1861)でフランス・サルディニア連合軍の王ヴィットーリオ・エマヌエーレが、 当時北イタリアを支配していたハプスブルグ家のオーストラリア軍に戦争を仕掛けて撃破しました。その戦争 における激戦地の一つがマゼンタでした。この戦いでオーストリア軍は撤退し、連合軍にミラノ入城の道が開かれイタリア統一の第一歩となった記念すべき戦いとなりました。
 そしてこのマゼンタの戦い(1859)と時を同じくしてコールタールから深紅色の有機染料が発明されフクシアにちなんでフクシンと名付けられました。また、この鮮やかな色にマゼンタの戦いでの勝利を記念して、「マゼンタ」の別名がつけられたというわけです。

どうですか?色にも歴史があるんですね!

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